「いい子にしてろよ」
カメセンは必ず毎朝お見送りする狼曉に、そう声をかけて出かける。
そして夜、
「ギャオ~~ン、ギャオ、ギャオ~~ギャフ~ン!!」
カメセンの車のエンジン音をしっかりと聞き分ける狼曉。
帰ってくるとなんの騒ぎかわからない。
まず、リビングに走り、車を確認すると今度は玄関へと走る。
私に必ず「座れ」のコマンドを掛けられる。
でないと、必ずドアが開いた瞬間に飛びつきなんらしかトラブルを起こす。
ドアが開いてカメセンが入ると着替えをし、手を洗い、うがいをしてダイニングテーブルに座るまでず~と後を付いて歩く。
「パ~パ、パ~パ、おかえり、おかえり、僕待ってたよ」
「あそぼ」(必ずおもちゃを咥えていく)
「・・・・・あのな、俺は今仕事から帰ってきたの、ビールで一息つかせろ。」
といいつつ、おもちゃを投げたり、追いかけっこをしてやったりと結構カメセンも楽しそうに狼曉をかまっている。
この時間、私は夕食の準備で忙しく、ふぁんぐは勉強中。
狼曉は私がキッチンに立つと自分の相手をしてくれないのをしっかりと理解している。
食事前の活動時間、相手をしてくれる人のいない狼曉はカメセンをてぐすね控えて待っている。
本当は家族の食事のあとに狼曉の食事を与えなければいけないのだが、私は狼曉の食事を私達と同時に与えている。
狼曉はしっかりと家族の中での自分のポジションをわきまえているし、たとえおなかがすいていてもテーブルのものを取る事は一切しない。
勿論、あっという間に食事を済ませる狼曉は私達の食事中は大人しくテーブルの下で寝ている。
テレビ嫌いの私、勉強が忙しいふぁんぐ、カメセンはよく一人別室でテレビを見る。
「お~~い、母さん、これ、なんとかしてくれよ~~」
狼曉はマッサージ機に座っているカメセンの膝の上にちょこんと座っている。
「テレビが見えない
大人しく寝てれば膝の上にいたっていいのにさ、こうやって座るからまったくテレビが見えないよ」
これでもカメセンは言うのです、
「俺は犬は特別好きではないよ」と
笑ってしまいます。
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