狼曉は感心な事につまみ食いはしない。
私の許可がなければ自分の食事にも口をつけないし、もちろんテーブルの上の物はとらない。
ただ、狼曉の鞄にはときどき顔を突っ込んでおやつを咥えてくる。
それでも勝ってに食べた事はない。
私のひざの上に放り出し
「おかあさん、僕これ見つけた、食べたい」
と意思表示する。
先日、旅行に行った時の事。
食堂に犬は入れなかった為、私達家族は交代で朝食をとった。
まず、私が済ませ、ふぁんぐとカメセンが後。
食事にでたバターロールを私は狼曉のお土産に部屋に持って帰った。
テーブルの上に置いてトイレに入った。
すると狼曉がトイレのドアをしきりにカリカリ引っかく。
出てみるとなにやら咥えている。
潰れてペッシャンコになってはいるもの、私が持って帰った「パン」。
私に渡そうと口をひらくが上あごにくっついてはがれない。
手伝って口からだしてやると、もうべちゃべちゃのペッシャンコ状態。
狼曉、今度はきちっと座って前足をだし、
「お母さん、それ食べたい」
とアピールする。
「よく飲み込まなかったわね。偉い、偉い」
と誉めてやるものの、パンからつーと涎がたれる。
もはや狼曉以外誰も食べる気を起こす事はない状態。
低いテーブルは我が家にはない。自分の鼻先のパンがどうしても欲しかったらしい。
それでも黙って食べる事はしないで私のところに持ってきた。
テーブルから取る行為は良くない事。でもそれがテーブルという認識もなく、食べずに私のところに持ってきたという事に免じて狼曉はバターロールをゲットした。
部屋に帰ってきたふぁんぐも片手にバターロールを握り、
「狼曉、お土産だよ!」
その日、朝から狼曉はバターロールを2つも食べた・・・・・・。
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