昔、昔、ワンコのご飯はお味噌汁の残りにご飯を入れたもの。それに煮干の2~3匹入ればりっぱな物だった。
考えてみればよくそれで犬が育ったな?と不思議に思う。でも短命でしたよね。
レオの頃、アメリカのドックフードなんて高くってそれこそ高値の花。国産のフードにはまったく企画がなく、なにが入っているかそれこそ解らない状態。またレオがドックフードを食べなかったから手作りご飯で育てた。(お味噌汁ご飯じゃないですよ、ちゃんと鶏肉ベースに作りました。)
今ドックフードがワンサカ出てる。この10年、ペットブームと一緒にオーナーが愛犬の健康に心を配るようになったおかげでフードは驚く程いろいろある。
中にはウンチの量を増やすだけの粗悪なものから素晴らしいもの。ほんとぴんきりである。
そうなってくるとドックフードのほうが手作りよりも簡単に栄養とカロリーのバランスがとれてくる。
単純に手作りのほうが良いと思い込むのは間違いだ。特に子犬の食事となると私はドックフードをお勧めする。
野生の狼にはドックフードなど存在しない、彼らは親の捕ってくる獲物を食べているじゃないか、自然食がなぜ悪い。そうお感じの方もいらっしゃるだろう。しかし、私はこんな体験をしている。
4月、9月、むかしふぁんぐがよくすずめの子を拾ってきた。
だいたいが巣立ち直後なので見つけた場所に戻してあげるのが一番、親はちゃんと近くにいるのだが、それを人間が迷子と勘違いをしていわば誘拐してきてしまうのだ。
しかし、時々怪我をしているもの、明らかに巣から落ちてしまったものがいた。
私は野鳥用のすり餌をつくり、虫を捕らえいつもそれなりに看病してあげるのだが、元気になって放鳥に至る運のよい子はまれ、8割落ちてしまう。
元気に育ってもなぜか羽が変形して成長してまっすぐに育たない。結果的に飛べない。
なぜ、羽が曲がってしまうのか、私は獣医学部の教授に尋ねた事がある。
都会にありながら緑濃いキャンパスをもつその大学でもすずめの雛はたくさん保護する。学生が丁寧に面倒を見て育てるそうだが、やはり半数近く羽が変形して育ってしまうそうだ。
私の問いに教授は「わからん。栄養学的には間違いないと思うし、現にちゃんと育ってる雛もいる。そこが自然なんだよ、野生動物なんだよ。」と諭された。
つまり人間がどんなに頑張っても親には適わない。なまじっかな知識は役にたたないというわけだ。
ドックフードに関しても同じ事が言えるのではないだろうか。ドックフードを作っているメーカーはそれぞれ研究し、工夫を重ねて今に至っている。私たちよりも犬の栄養学という面では数段すぐれているし、経験もつんでいる。プロはプロ、信頼できるプロなら任せてしまったほうが安心という訳だ。
その教授に狼曉の健康診断の時言われた。
「肉や煮干をやってはいかんよ。子犬用のドックフードが一番、カロリーをうんと摂ってな。」
バランスの面ではドックフードがいいと解ってはいたが、なぜ肉がいけないのか、不思議に思った私の問いに教授は
「成犬になって骨格もできて、内蔵も完成されていればかまわんよ。しかし、子犬にとって肉はリンが多すぎるんだよ。骨の成長にカルシウムとリンのバランスが非常に難しい、大型と言ってカルシウムを多量に与えるのも間違いだし、かといって必要ではないわけではない。たんぱく質も同じだ。今のドックフードは良くできてる。」というお答え。
あ~ぁ、経験に頼ってばかりではいけません。犬に関する知識は日々進歩している。勉強せねば、と痛感しました。
という訳で、狼曉はドックフードを食べてます。
ところが狼曉はあまり食べる事に興味ないんです。
ちんたら、ちんたら、私の顔を見ながら鼻の先を汚しながら食べてます。
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